ぺろのおやつ

土曜日。ジョギングがわりに、自転車で辻堂まで。空は薄い雲がかかっているけど、明るくて気持ちいい。藤沢市アートスペースに寄って、友達の顔を見て、うろうろと服を見て、デカフェのコーヒー豆だけ買って帰ってくる。ぺろのおやつを買おうと思って出かけたのに、買い忘れてしまった。少し読書。

晩ごはんはもやしとキクラゲの中華炒め、あさりと豆腐の韓国風スープ、ごはん。

蓄電している感じ

木曜日。TVerで「けもなれ」最新話見る。連載のための詩を書く。来週から、12月にかけて始まる取材や出演や、人前に立つ仕事、小学校でのワークショップ。馬力の要りそうな日々に備えて、蓄電している感じ。思考の向かうべき方向が見えづらくなっているように感じるのは、直近に控えている仕事が多様なせいかなぁ。このところ集中して小説を読んだので、小説ではない文章を読みたくなっている。何か、指針になるような……。鞄には、平凡社STANDARD BOOKSの『岡潔 数学を志す人に』が入っている。

ピーピーいう機械

水曜日、晴れ。月火と、少人数の飲み会が二晩続いた。午前中、隣の土地に家を建てる工事の人が、測量なのか、ずーっとピーピーいう機械を鳴らしていて、いつその音が止むのか気になってしまい、ぼーっとしてしまう。気分転換にシャワーを浴びて洗濯。午後はSkype会議、1時間余。会議の前にメモをつくっておいて良かった。ゆっくり徐々にではあるけれど、協働の相手が広がってきている。思いついたこと、考えたことをちゃんと話せば、相手も応えてくれると感じる。手応えがある。

晩ごはんは、さんまとトウモロコシごはん。テレビをつけたら篠原涼子さんが、寝るときは下着をつけないと話していた。夕飯のあと、ヨガ1時間。

段ボール箱の洋書

日曜日。朝、創さんが買ってきてくれたボヌールのコロッケサンド、ピーナツクリーム入りコッペパン、ミルクコーヒー。海側の窓のカーテンを開けて、景色を見ながら食べる。旧居の片付けに行くつもりだったけれど雨なのでやめて、段ボール箱の洋書を少し片す。読書。昼は遅め、ラーメンをつくって食べる。具は、小松菜と葱と卵。それからGの仕事。

晩ごはんは鶏肉のねぎ塩だれがけ、ごはん、スープ。

ジョギング、『の・ようなもの』

朝の創作メソッド」というものを友達に教えてもらったのをきっかけに、タスクのひとつとして、日記を再開してみることにしました。情熱ややる気で書くんじゃなくて、たんたんと、というのが大事なのだそうです。自分の書くものと自分との距離を測る、ものさしみたいになったら良いな。

 

土曜日。久しぶりにジョギングしてみる。海を見ながら1.9キロ。少し息がせいせいする。海のなかにはサーフィン教室のグループが何組も浮かんでいる。波はほとんどなかった。正午過ぎ、手配していたヤマトの本棚の移送の人来る。八百屋か魚屋みたいなエプロンを腰に巻いた銀髪のおやじさんと、色白の若者。土曜発送・日曜届けのはずだったが、おやじさんが気を利かせてくれて、そのまま新居へ運びこんでくれた。片づいた書斎で、陽が暮れるまで読書。それから『の・ようなもの』観る。どのような自由さによって、こんな最高な映画が成り立っているのか、わからなすぎて、びっくりした。お馬鹿で、すけべで、おかしくて、秋吉久美子がかわいくて、堀切からのナイト・ウォークのシーンで、しみじみしちゃうのだった。

晩ご飯は、具だくさん鮭汁とごはん。

札幌でぐるぐる

 8月22日午後、新千歳空港着。空港からバスに乗って地下鉄澄川駅前で降り、天神山アートスタジオまで歩く。思いのほか暑くて、坂を登ったら汗だくになった。到着すると眼鏡のスタッフさんが扇風機を私に向けてくれ、私は手続きをして、自分の部屋に落ち着いた。大きな窓いちめんに背の高い楓の緑がそよいで、その窓を網戸にすると気持ちのいい風が入ってきた。今日から8日間、ここが私の部屋。シャワーを浴びて、来る途中で見かけた純連まで歩き、みそラーメンを食べながらお店のテレビでニュースを見た。ニュースは札幌の暑さのこと、百年記念塔が解体か存続かで揺れていること、市街地でクマの出没が相次いでいることなど。部屋に戻って、連載の詩を書く。天神山の風景がもう身体に入っていることが、書いているとわかる。

 23日、お昼頃から豊平川へ出かける。暑い。途中で通った精進川の小川は木々に包まれて涼しいのに、そこを抜けるときつい日光の下を歩かなければならなかった。川の手前には広い車道が、家々の玄関よりも高く敷かれて、念入りに護岸されている。車道を渡ると川べりではジョギングしている人がまばらにいた。川は低く広く流れて、その向こうに藻岩山が見えた。精進川との合流地点で釣りをしている人もいた。私はその光景をすすすーと見て、すぐにまた道を渡ってショッピングモールのミスタードーナツに駆け込んだ。少し読書。それから自炊の買い出しをして部屋に戻って、今回のいちばんの目的である原稿の事始め。

 24日、朝はパンと豆サラダ。午前中から昼過ぎにかけて、昨日の原稿の続きを仕上げる。一段落したので、台風の近づく雨のなか「がたんごとん」に行ってみる。お兄さんがひとり、黙々と箒を作っている。カフェドクリエに移動して少し読書。夜、会いたかった詩人と澄川駅で待ち合わせて、スープカレーと焼き鳥の店へ。夜10時頃まで、生きること=書くことの話をした。栄養。

 25日、@SIAF_HACKさんの計らいで「たべるとくらしの研究所」へ。所長(?)の安斎さんにお話を伺う。私は今度の自分の詩集を編んでいたとき、頭のどこかにずっと、福島を出た親子のイメージがあった。でもこれまで一度も、あのとき福島を出た(と公言している)人に会ったことがなかった。だから安斎さんに話を聞いて、そもそも最初は震災で余儀なくされた移動の先でいまは(もっと)ハッピーになるために自ら移動のために動いていると聞いて、深く頷いたし、果樹園や畑の仕事をしてきた安斎さんと、私が書きながら考えてきた放射性物質の話をあんなにスルッとできてしかも(わかるなぁ)と思えたことは、素敵な驚きだった。安斎さんは自分のことをあまのじゃくだと言っていた。二時間かそこら話を聞いただけで(わかるなぁ)は傲慢かもしれないけれど、それでも会って話すことで、じんわり伝わってくることがさまざまにあるのだった。安斎さん、 @SIAF_HACKさん、ありがとうございました。
 夕方、オープン前の「喫茶こん」に移動して、午後5時から朗読会。風は強かったけれど晴れて、当日のお客さまも見えて、いい会になりました。夜は道民おすすめのチェーン居酒屋「炎」でザンギなど。

 26日、北海道新聞のI本さんに教えてもらったギャラリー「テンポラリースペース中森」へ。この日が最終日だった個展の作家、齋藤周さんに声をかけたら、文月悠光さんの美術の先生なのだった。びっくりして帽子をとる。中森さんにもご挨拶することができた。吉増剛造さんとの出会いのことから、スペースの間取りと歴史のこと、北海道から海経由でロシアに渡りトナカイの旅をした夫婦のこと、沖縄のアーティストのことまで、いろいろ話してくださる。スペースのふしぎな居心地良さもふくめて、ものすごい情報量の何かを受けとった気がして、南へ向かって歩きながら、何を受けとったのか確かめようとした。北海道大学ミュージアムショップに寄って、はがきと、小さな家のかたちに切り出された軟石のアロマストーンというものを買う。さらに歩いて、モリヒコというカフェで休憩。ノート。夜は部屋で、トマトサラダとレトルトカレー

 27日、部屋で一日、新しい企画の構想を練るなど。様々な人に聞いた様々な話が脳内をぐるぐる巡っていて、ばくはつ気味。夕方、昨日中森さんのところで知りあったかりん舎を訪ねる。ご縁を大切にいろんな書籍を刊行したり展示を企画したりしている、女性ふたりの出版社。猫もふたりいて、ででんと私の前のテーブルに伸び広がる大きな雄さんと、そそくさと動きまわる小回りのいい雌さん。窓から藻岩山の夕陽が見えた。昨日中森さんに「夕飯でも食べたら」と言われたのをいいことに、ラーメンサラダなどいただいてしまう。おいしい。それからかりん舎で作った絵本や記録集や、展示で使った陶板アートや、石牟礼道子さんが参加していた九州のカルチャー誌などを見せてもらった。車で送っていただいて20時頃帰宅。読書。

28日、朝はごはんと納豆とウィンナーと目玉焼き。少し多く用意しすぎた。人生12年周期問題について考える。2006年の自分の生き迷いっぷりと確かに重なる部分のある今年だけど、その後の12年を思い返せば、全く心配ない気もしてくる。午後、呼吸を整えるために、旅先恒例のチェーン系カフェ。土地のものを吸収しすぎて膨らみすぎたとき、これがとてもいい。大通り公園の近くにモスバーガーを見つけて入る。アイスコーヒー。それから庭ビルへ移動して@SIAF_HACKさんとのトークイベント。喫茶こんのまり奈ちゃん、昔の同僚のI神くん、来てくれる。

29日、朝から読書。日が暮れてから古本とビールの店、アダノンキへ。ひと晩くらいおいしいお酒が飲みたいと思っていたので、嬉しかった。

30日、降ってるのか降ってないのかわからないくらいの雨模様。パッキングと部屋の掃除をして、スーツケースは送ることにして、身軽な身体で回転寿司のトリトンへ。サンマと本まぐろがとてもおいしかった。新千歳空港で時間が余ったので「オーシャンズ8」観る。レディースデー。