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梅雨明けだった

土曜日は5人で三頭山へ行った。
山はだらだらしたプンプンした不機嫌な夏の緑だった。どの緑もそうでも、とくに下草、下葉の方々が、少し濡れて濃くて、その植物ごとの大きさの最大値という感じになっていて、恐ろしい。腰から下が緑に埋まった気分のまま、ずっと歩いた。見晴らし台のへりに、大小のミツバチがとまっていた。したりと動かない霞がかかって、遠い景色は白かった。バスを降りた瞬間からすでに空気が冷たくて気持ちよかった。高度1300mくらいまで来ると、ますますとてもひんやりした。秋にも初夏にも見なかった、葉の先が鬼太郎のアンテナのように一本だけぴゅうっと伸びているのがそこらじゅうにあって、生きた葉っぱを一枚だけ折ってしまったけど、いけないことだった。あとからなんとなしチクチクして、すごく反省した。
武蔵五日市の駅前にあるやまねこ亭で、ビールやいちごジャムののっているかき氷やチャイをそれぞれたのんで飲食して、それから阿佐ヶ谷まで移動して中華料理を食べた。最初から最後まで、初めての顔合わせの5人で、どきどき、おもしろい日だった。

日曜日の朝起きると、はじーが動物みたいに(というか私みたいに?)お財布をぱか、と開けたり閉じたりしてソワソワしているので見ていると、こちらを向いてちょっと恥ずかしそうに「煙草を買いに行ってくる」と言った。わたしも行くと言うと、「ちゃきが行くと煙草買うためだけじゃなくなる気がするから行こう行こう」と言った。で、ローソンに行ってはじーは煙草を買ってわたしはフルーツ牛乳プリンを買って、ラセゾンにも寄って贅沢なサンドイッチをふたつ買った。いつも猫のダッシュさんに会う近所の道がぺっかぺっかだ。景色の全部に光が届きすぎて、凹凸感が全然なくって、ぺっかぺっかなのだ。そしたら、それは梅雨明けだった。帰ってきてベランダでサンドイッチとフルーツ牛乳プリンを食べて麦茶を飲んだ。はじーはフルーツ牛乳プリンを一口食べて、「お前はこれに香料がどんだけ入ってるか気づかないのかっ」と言った。はじーは日々年々、香料や味のパウダーが苦手になっている。フルーツ牛乳プリンは、わたしにはおいしかった。
それからノアに会った。
ノアはわたしがいまでも定期的に会う友達のうちいちばん古い部類にはいるひとである。もうもう暑いなか、ノアとふたりでトボトボと歩いていって、ARMSで昼食して、それからそのそばにあるlittle nap coffee standでカフェラテを飲んだ。ノアは温かいの、私は冷たいの。BRUTUSの朝食特集に載っていて、来てみたかったところだった。カフェラテはちゃんと濃いコーヒーの味がしておいしかった。夕方になっててらちゃんとケイタちゃんがDJしているというorgan barに顔を出して、夜はうちへ行ってはじーと三人ではじーのつくった鶏肉入りのピリ辛冷やし中華を食べた。ノアは食べながら、いままで食べたなかのベストだと言った。
ノアを送って代々木上原駅まで行って、その帰りにセブンイレブンに寄ってガリガリくんのソーダ味とリッチチョコチョコチョコチップ味(この味は「トンちゃんをお願い」という小説に出てくる)を買った。はじーは「赤城はやなものが入ってなくていいなあ」と言ってリッチチョコチョコチョコチップ味を食べながら歩いた。