雨のご近所

あたらしいご近所はうれしい、あたらしいご近所は素敵だ。はじーが誰かと電話口で愉快な相談している声がするので、一度ねむったのを起きてみると、深夜のお誘いがある。雨のボツボツたくさん降る、夜中の二時のなかを、はじーと、あたらしいご近所に向かって歩いてゆく。それは大きな道を二本渡った先、喫茶店「車」の先。マミドリの服着たK里君がお迎えに立っている。ΜΜは溶けそうにながい手足で酔っぱらっている。初めてあうひと、Aちゃん、Mさん、Nさん。K里君がいつもの調子で思ってもないことを思ってるように、思ってることを思ってもないようにぺらぺらと言う。や、たのしい。や、たのしい。
わたしたちはご近所づきあいの手始めとして、歩いて行けるおいしいお寿司屋さんに行くのと、うちではじーとΜΜがお夕飯をつくってみんなでたべる会と、こんどAちゃんと一緒に走る約束をする。ΜΜがトイレで寝てしまうので、Mさん、Nさんとわたしはコンビニまでトイレを借りにお散歩へ。Aちゃんが漫画をたくさん紹介してくれて貸してくれる。Aちゃんの漫画の説明はとても上手い。
それから、Youtubeで「呪怨」のエピソード1をみんなでやいやいいいながら観る。わたしは怖いので耳と目の割合を9対1くらいにして、画面の斜めから、首をひんまげて観る。窓の外の夜が明けてきて、雨の音がしない、窓の外の夜が明けてきて、また雨の音がする。白い曇り空がさえざえとして、うちに帰り、それは朝の七時で、ベランダの窓を開けると、けたたましい小鳥たちだ。