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定期入れ

真昼、知らない番号から携帯に電話がかかってきたと思ったら築地警察署からで、なくした定期入れが届いたのだという。一週間前、使っている駅できいても社内メールできいても出てこなかったので諦めてしまったあと、同僚の女の子が「定期なら100パーセント戻ってくる、わたしも定期10回くらいなくしてるけど、10回とも戻ってきましたよ」と言っていたのを思い出して、なんとなく日本人の心根のよさを思ってしまう。(こういうとき、どうして東京の人でもただの人でもなくて日本人と思ってしまうのだろう。なんだろう。)
そうして築地警察署に行ってみると、わたしがなくしたと思った日より三日も早く定期入れは拾われていて、わたしはどうしてもその日、4月3日金曜日の自分の行動、食べたもの、なにひとつ思いだせないのだ。考えはじめると頭のまんなかの触れないところがかゆくかゆくなってくる。