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点字とボンド(6/14)

仕事のあと、パソコンをひらいたまま、仕事をしていたその同じ机でひとりでビールを飲むという、贅沢で堕落的なことをしていると、机の上の棚に前から置いてある木工用ボンドのケースに、点字が打ってあるのに気がついた。グーグルさんの画像検索で点字の表を引っぱりだしてきて読むと、表に「ボンド」裏に「モッコーヨー」とかいてあった。すこし前、「ギルガメシュ叙事詩」を読んだとき、楔形文字の図を世界史便覧以来で見たけど、改めて点字を見ると、楔形文字よりも洗練されていて、(私には古風にウツクシイものを愛でてしまうところがあるので、)点字、この実用美、ウツクシイナー、とビールを飲みながら、木工用ボンドのケースをまじまじ眺めた。ハッと、机の上の文房具のかずかずーーカッター、カッターマット、スティックのり(Prittと無印)、フェルトペン、MONO消しゴム、ハサミ(無印)ーーをひっぱりだしてみたが、コニシ株式会社のボンドだけが、点字つきなのだった。セメダインの木工用ボンドにすら、点字は打っていなかった。コニシ株式会社のウェブサイトをあさってみると、このボンドはいつのまにかグッドデザイン賞をもらっていた。子供用のQ&Aに、「ボンド 木工用や木工用速乾(そっかん)の点字は、目の不自由な方が、これは接着剤だとわかるように入れました。」とだけかかれているのだった。きっと何か思想があるはずだと思う。でもそういうことをことさらにかかないところが、いかにもシャイで、昔ながらの木工用ボンドの会社らしくて、いいではないか。