秋の骨組み

10月の終わりに白根山へのぼった。
逢ノ峰の頂上から北西に見える飛騨山脈のけしきに脱帽し、色とりどりの観光客のみんなと一緒に湯釜をみて、ウェスタン映画に出てくる荒野のようなあかい誰もいない荒野を歩いて、山小屋へ行った。荒野、白根火山から出るガスのために、緑の植物が生えないらしい。岩の隙間から水が流れている場所があった。さわると冷たい水だった。荒野はいつのまにかいちめんの熊笹の野原に変わった。その熊笹の野のなかに赤い屋根のヒュッテがあって、人と犬が住んでいた。山小屋でおいしい洋食のごはんを食べて、混み混みの星を見て、よる8時過ぎに寝た。なかなか眠れなかった。よあけの始まりと一緒に急いで起きて、低い平べったく伸びた雲の筋の間にみえかくれする朝日をみた。山小屋には星座の絵本があった。わたしのみた星空の、東の空にあった大きな4つの星はきっとなにか名前がついていると思ってさがしたけど、わからなかった。最近になって、それが秋の大四辺形という名前だったことがわかった。
11月から、わたしは週の半分を家で、もう半分を会社で、働きはじめた。まだ生活のリズムに慣れなくて、読書のタイミングを見つけるのが難しいけど、調子はとてもいい。