めでたいと思える感じ

いとこ姉のかおちゃんのケッコンヒローエンに参加しに、名古屋まで行ってきた。昨日(土曜日)、夜六時東京発の東名バスに乗って静岡のみえこ宅まで三時間、着いて食べてお風呂に入って寝て、今日(日曜日)、朝六時に起きて、親族一同の乗りこんだチャーターバスに最後の人員として乗りこんだ。途中、浜名湖と刈谷のパーキングエリアで休憩した。刈谷の休憩は1時間もあった。パーキングエリアはばかでかくて、ハイウェイオアシスという名前が付いていて、赤いゴンドラの観覧車があって、温泉があって、フードコートがあって、ドッグランもあるらしかった。とりあえず、みえこと観覧車に乗ってみた。どこからかお琴のメロディが聞こえてくる。別の音楽と混ざって、不協和音になっている。みえことふたりで、「気持ちワルーイ!」とはしゃいで、キシシシシーと笑った。日が昇ってきて、観覧車のなかはじりじり暑くなってきた。なんかもう温泉に入ってビールを飲みたい、そこで売っている鯖寿司でも食べたい、それでいいんじゃないかという気がしてきた。でも、観覧車を降りて、サーティワンのアイスクリーム(ラムレーズンとポッピングシャワーのダブル)を食べるだけにした。フードコートの二階で、おばあさんたちが大きな会議テーブルで、大正琴を練習していた。
名古屋の会場に着いてからまだ時間があったので、チェキのフィルムを買いに、サカエ地下街のカメラ屋さんに行った。ハート型のアルバムと、レース柄のマスキングテープ三個セットが売っていたので、思いつきでそれも買った。テーブルについている親族や、かおちゃんのフラダンス仲間の踊るところや、会場の写真を撮って、アルバムに貼って、撮らせてくれた人にお祝いのことばを書いてもらって、帰り際にかおちゃんにプレゼントした。
出てきたフランス料理がどれもとてもおいしかったのでびっくりした(ヒローエンの料理は見た目と量は豪華だけど味はそこそこ、という強い偏見がある。そして、食べきれなくて残してしまうと悪いことをした気がする)。白身魚には白ワインがピタッ、お肉のレアステーキには赤ワインがピタッ、と振る舞われるのも嬉しかったし、料理はちょっとずつ出てきて、最後のケーキまで食べきれた。食べきれる、というのは気持ちいい。ハワイが大好きでフラダンスに熱中しているかおちゃんらしく、会場にはずっとハワイアン・ミュージックがながれていて、お色直しして出てくると、かおちゃんはバナナの葉っぱみたいな緑色のすっきりした綿のドレス、だんなさんはアロハシャツだった。
だいたい、わたしは知人の結婚式や二次会へ行けば、どんなに素敵な結婚式や二次会でも、どんなに料理がおいしくても、自分のあれこれを鏡にうつすようにして振り返って、たくさん思うところあって帰ってきて、結局思うところのほうがあとあとまで残るので、素敵な結婚式だったなぁという思い出は、どうもぼんやりしてしまう。ところがこのいとこ姉の結婚というのは、なんでか「鶴瓶の家族に乾杯」を観ているときみたいに、自分のことなんか1ミリも考えず、かけねなしにめでたいと思えた。いとこ兄の結婚のときもそうであった。この、めでたいと思える感じは、貴重だなぁと思う。