正月の記録

12月30日、昼過ぎ起床。小田急線とJRに乗って東京駅、17時半発の東名バスの切符を買う。去年の帰省のときにも使った、東京駅地下街の立ち食い寿司の店で腹ごしらえして、ドトールでコーヒーを飲んでから、バスに乗った。ドトールは空港のロビーのようなドトールだった。隣の席に向かい合って座った小学生男子ふたりが、口で技の効果音や雄叫びの声を発しながら、トレーディングカードの遊びをしていた。
バスのなかではじーとおにぎり2つずつ(明太子、唐揚げ、梅、チャンジャ)食べる。裾野付近で、少し雨。きっかり一時間分の渋滞。
夜21時半頃、清水着。みえこ作のお好み焼き、わかめとじゃこの酢のもの、鶏肉と卵と大根の煮物、食べる。お好み焼きは田辺聖子のレシピという。夜中に角田光代対岸の彼女」読み終わる。いい小説だった、読めば読むほど文体がすーと背後に消えていって、光景がたくさんあとに残った。特に小夜子と葵が一緒にあかりの保育園の運動会に参加するところが好きだ。
12月31日、昼過ぎ起床。みえことはじーと三人で国道沿いの陽の当たるケンタッキーで食べ、農協とコンビニに買いものに行って帰ってきて、それから私は数年前に近所に登場したコメダ珈琲店へ、毎年会うロコの友だちに会いに。コメダの閉店の19時半まで、ずっと喋る。
帰ってきて、サムゲタン風の鶏鍋。紅白をBGMにして、yahooとgoogleの検索機能はどちらがすぐれているかという議論をえんえんと、年がかわる10分前まで、はじーとする。それというのも、みえこがNECのばかでかい趣味の悪いノートブックなんか持っていて、ツールバーのごてごてついたIE(インターネットエクスプローラー)なんか使って平気でいるからだ。使う本人が平気ならそれでいいと思いたいのだけれど、これについては駄目だった。年越しそばは食べそびれた。
「ゆく年くる年」をぼうっとみて、眠くなりながらテレビをみつづけていたら、スリムクラブが出ているので目が醒めた。それからお笑い番組(「ほめられてピカルくん」というやつの特番)をみているあいだは、うとともせずにみていた。お正月用の、出演者がどたばたはしゃぐ、騒々しい番組だったけど、芸人が今年の仕事を増やしてもらおうとやっきになって自己アピールしているさまがあんまり画面から伝わってくるので、途中からなんだか他人事とは思えなくなってしまった。
1月1日、昼前起床。京都からけんじ来る。親戚周りをぺっぺと済ませ、家で天皇杯をみたりして過ごす。エスパルスはやはり負けた。日が暮れるころから、お鮨など、だら食い。親戚の近況のなかでは、はとこの女の子が今年から動物園関係の就職率の高い専門学校に行くというのが、かなり気になり、羨ましい。わたしの近況を聞きかじったひとに、さらっと「詩人デビューおめでとう!」と言われ、いろいろをぐっとこらえる。
1月2日、昼ごろ起床。ふとんのなかで、年末に下北沢の古本屋で買った岩波文庫薄田泣菫の随筆をほんの少し読んで、好きじゃなかったと思ってすぐにやめてしまった。食卓に4人揃って、鶏肉とほうれん草のお雑煮。薄田泣菫はけんじがひきとってくれた。夕方から、静岡駅周辺でカフェ巡り。マクドナルドでコーヒー、スターバックスでジャスミンオレンジティーラテとホワイトザッハトルテ、イタリアントマトでトマトクリームパスタとシーザーサラダとビール。シーザーサラダはかなり塩がきつい。静岡パルコのなかのムラサキスポーツで、solmateの靴下を買った。21時半、東京に戻る新幹線のなかで「罪と罰」を読みはじめた。