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月夜の大祭

雨がよく降って、Twitterの行間にもずっと雨が降っている。
今朝遅くまでうつらうつらしているとき、雷の落ちる大きな音がして、それがとても近い感じがするのでどきどきして、どきどきしながらうつらうつらしていた。昨日の夜、疲れきって帰り道の山手通りをはじーと歩いていると、綿あめを食べる子どもや玩具をかちかち鳴らす子どもが向こうから流れてくる、歩いていくと、代々木八幡のお祭りがゆめみたいに賑わっていて、わたしは一刻も早く家に帰って座りたいと思っていたのにぱーっとお祭りの明かりにあたって、なにかいけない粉を吸ったようにどんどん八幡の階段をのぼって、冷やしきゅうり、亀釣り(とてもやりたかったががまんした)、スパボー(さいきんは屋台の名前がすでに省略されているのか)を横目にみて通り抜け、こんなに屋台がたっていてこんなに人がいるといつも誰もいないこの場所が途端に広くおもえて、わたしもはじーも、何度も呆然としながら奥へ奥へ歩いていって、やっと立ち止まると女の子たちが列をなしてチキンステーキ300円を買っていく屋台の脇であった。代々木八幡にこんなに人がいるのを見たことがないので、ただただ人を眺めてしまう。チキンステーキの向かいには同じ顔、同じ色、同じ形のクマのぬいぐるみを大量に並べて売っている黄色い屋台、はじーに促されてそのもっと上をみると、木々の梢の影が四方から集まってぽっかりあいたまんなかの空に、いかにも、満月が据わっているのだった。
もう少し歩いて広いところに出ると、煌々と照らしだされたステージのうえで着物を着たおばあさんがひとり、日本舞踊を踊っている。ひとり踊り終えるとまたひとり登場して踊り始める。あれは男踊り、とはじーがいう。その左手に着物を着たおじいさんがいて司会をしているけれど、マイクの声が小さくて何を言っているのだかさっぱりわからない。それでもステージを見ている人たちは、ひとつの踊りが終わるごとに、ぱらぱらと拍手をした。
お好み焼きとビールを買って、屋台の裏の暗がりの石になんとか腰掛けて飲み食いした。石の下に、誰かが落っことしたたこ焼きが転がっているのをはじーが踏んづけた。子どもがあとからあとから屋台のおっちゃんのところにやってきて、おっちゃんとじゃんけんして、勝ったり負けたりするとおっちゃんが子どもに何かを渡して、すると子どもはそれを台の上において、しゃがんでもそもそと何か手をこまめに動かしている。ハーメルンの笛吹きみたいに子どもばっかり来るなーと思ってみていると、そのうち女子高生や大人もきて、おっちゃんとじゃんけんしている。その光景をずっとみていた。あとから気がついた、あれは、型抜きしてたのだ。
大人も子どもも、主婦も中学生もお兄ちゃんも、お祭りにくる格好がみんなそれらしく決まっていて映画のセットか漫画のなかみたい、甚兵衛をきて赤ん坊を抱っこしている外人のお兄さんや、英語で"like.."を連発しながら喋りまくっている女子3人。さすが東京、さすが東京の祭りよ、とわたしは思ってしまう。

代々木八幡宮例大祭、きょう、雨のなかでも、二日目をやっているらしい。全部濡れて、どんなさまになっているのだろう。