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月曜

雨。試写で「アニエスの浜辺」を観る。とても楽しみだった、もう81歳になるというアニエス・ヴァルダの新作。「かわいいおばあちゃん」のなり方・あり方はいろいろある(そして、「過激にかわいいおばあちゃん」のなり方・あり方もいろいろある)が、この人のかわいさは、たとえば、浜辺に四角い鏡をいくつも置いて、海を切り取ることができる。黒いビニールでクジラの家をつくり、そこに色とりどりのクッションを置いて、寝そべることができる。「落穂拾い」に登場した愛猫は死んでしまったみたいだ(とてもいい名前だったのにいま思い出せない)、その愛猫のお墓の四方を、貝で飾ることができる。そして、映画の歴史そのものみたいな友だちに会う旅をしながら、新しい映画を撮ることができる。
仕事帰りに、会社の近所のファミリーマートで、NEUTRAL NATIONのチケットを引き取る。コンビニで引き取るぴあのチケットは、いつも同じうすみどりの紙に、味もそっけもなく印字されているのが、逆にいい。おばあちゃんが何の理由もなくお金をくれるときのような、高揚を邪魔されない、この感じ。