すごし、あたらし

早稲田松竹で「トウキョウソナタ」を観たはじーと高田馬場で待ち合わせて、純連のラーメンを食べに行く。高田馬場のロータリーは四月新歓の浮かれ騒ぎ。逃げるようにして離れ、離れて、戸塚公園を抜け、神田川を渡り、下落合浄水場のうえを通って、下落合から電車に乗った。浄水場の丘から、新宿方面に一面に、びっしりたけのこの生えたようにマンションがたっていた。昼白色の明りのちかちかちらちらといっぱいの。その手前に何かの競技場、電脳コイルのクビナガ竜そっくりの照明施設に囲まれた。それを見ている私たちの佇っている丘はだだーとして、浄水場の敷地内だけ、天空の城ふうに、ひよわな草木が覆っている。西武新宿線下落合駅に着いてこの駅の、それにこの沿線の風景、西行や折口信夫など読みはじめたわたしは「すごし」だ、といい、はじーは「あたらし」だ、という。
帰ってきて、ツキノワグマをもう一体つくる。こんどのほうが、小顔に出来る。