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動物について

じっとしている動物、見ている動物、食べている動物、歩いている動物はとてもひとりです。動物と一対一で対峙することは、ひとりになることです。動物どうしは、しばしば一対一で対峙します。動物が、自分の天敵、あるいは獲物と見つめあうとき、お互いの動物はとてもひとりです。それから、逃走、あるいは追撃が始まります。逃走も、追撃も、自分の責任で走るのです。逃走に失敗して死ぬかもしれないこと、追撃に失敗して空腹がさらにひどくなるだけかもしれないことの責任は、走る動物ただひとりが負っています。ひとりのとき、動物はだれも支配せず、誰の奴隷でもありません。重要なのは、動物かどうかではなく、その動物がひとりかどうかです。動物が沈黙するのは、ひとりだからです。