けさ

とてもきれいな風景をみた。ぶあついくすんだ色の毛布を肩から背中にかぶって屈んだおじいさんが、車道と歩道のあいだに積んであるごみの袋をひとつあけて、何かをたべていた。おじいさんのいるところだけ、音がなかった。おじいさんは、なにかの動物に似ていた。からすでも、ねこでもなかった。草をはむ牛に近かった。きれいな風景だった。