土曜日

GくんとTさんのダンスを観に、神楽坂へ。いつもクラブの暗がりのなかで観る彼らのダンスは、コンクリートの舞台のうえでも変わらず、軽くて土っぽくて気持ちいい。音が先にあるからだ。ほかに踊った六組のダンサーたちは、音をあとへ従えてずりずりと重い。
そのあと、デザイナーズマンションに住むIどん主宰の餃子パーティーに、桜新町へ。Iどんの部屋はとても広い。奥の壁一面にレコードが並んでいて、その脇に立派なDJブースがある。そのままキャンプに使えそうな、木製の長いテーブルとベンチ、ひとりがけのソファ、毛布にもなる虎の敷物。はじーは「ここが落ち着く」といってしばらくキッチンにいて何か作っては出している。食べたもの、焼き餃子をたくさん、水餃子、クリームチーズ、ニラ炒め、ワイン、ビール、缶酎ハイ、クッキー。ふわふわしたエビせんを食べ続けながら、わたしはだんだん酔っぱらってくる。夜中まで居残った女子たちは、男も女もなく遊ぶことの愉しさを、初めて言葉にして喋りあった。
朝、ぐでぐでになったYさんをタクシーに入れ、間髪をいれずにつるりと自分も乗りこんだIどんのかっこよさ。はじーと代々木八幡の道を朝帰りしていると、「わたしたちは幸せだねぇ」と、どちらが先に言ったか、タキビミュージックの一晩と一日を思いだして、ふいにキューと泣きたいような気持ちになる。