朝、ふたりして早起きしてシャワーを浴び、古典の話になって、黄色の背表紙の岩波文庫をあれやこれや引っぱりだしてくる。古典は、わたしが最近足を踏み入れたばかりの世界である。昨日、発表会のあと流れてうちに遊びに来てくれた麻里ちゃんとIさんと本の話をしているうち、次に読むもののリストが書き換えられていった。はじー「気分がいいからこのままちゃきと一緒に出て、カフェって万葉集を読む」という。わたしはイタロ・カルヴィーノの「なぜ古典を読むのか」を鞄に入れて、出社。
昼、入船のデリカフェでそれを読む。古典をただ楽しみのためだけに、必要のためだけに読む幸福のこと! ちらりと先読みした大プリニウスの項の楽しさに眼らんらんとなり、さっそく「博物誌」を図書館で予約した。カルヴィーノのこの本が須賀敦子さんの翻訳とは、昨日まで知らなかった。
夜は遅くなる。帰りがけの日比谷駅で、大きなねずみを見る。