きょうの風景(5/4)

ゴールデンウィーク折り返しの土曜日。品川駅で野村さんと待ちあわせて、北品川を歩いた。びっくりした、品川というのは、海辺であった。旧東海道というのは海沿いの道なのだった。品川神社、というか御殿山は、小高い桜の名所であった。江戸の人は春の品川…

もとこさんとミケレ(ふたりのきちんとしたダンサー)

ローマの空港についたのは、日付が変わるぎりぎりの時間だった。私たちはベルリンからローマへ行くのにまだ日本でも乗ったことのないLCCというものを使った。地上階にある搭乗口に真正面から向かってくる飛行機や、日本の新幹線の清掃ばりにスピーディに機内…

ベルリン、ローマ、ヘルシンキ(つまりは、熊と、狼と、熊)

去年の秋にベルリンとローマとヘルシンキにいってから、ずっと、ずっと、どこからこの10日間の長い旅について書けばいいのか、書こうか、書くのか、私は、書きたいのか?うじうじと迷っていた。 外国を旅行するのは、とてもひさしぶりのことだった。外国を旅…

半年ちょうど

金曜日 初台デニーズ金曜日 ヘルシンキ土曜日 ベルリン水曜日 ローマ月曜日 東京(残暑のさいごの悪あがき)火曜日 新富町火曜日 とこちゃんち土曜日 ゴールデン街水曜日 渋谷駅東横線ホーム(85年分のさよなら)日曜日 官邸前日曜日 海歩いて歩いて歩いてた

きょうの風景(8/18)

朝目を開けると、白い、粒の大きい雨がどさどさ降っていた。ベッドに伸びたまま、白いなー、粒でかいなー、と、しばらくベランダを眺めた。神鳴りがひっきりなしに鳴って、稲光の閃光がカメラのフラッシュのようにバチッと目にはいってきたので、思わず目を…

きょうの風景(8/5)

炎天下の駅前で、くわえ煙草で日傘を直している猫背のお婆さん。下北のDVDとゲームの中古品店で、ずっと電話に耳をくっつけている店員のお兄さん。夕方の暑さのなかで赤いTシャツに鉢巻きを巻いて店の入り口に立っている居酒屋のお兄さん。マンションの部屋…

きょうの風景(8/1)

日曜日にmujikoboで渡邊聖子さんの個展をみた。私は渡邊聖子さんの展示を、なんども見たことがある。でも、展示をみて、写真をみたのか部屋をみたのだったかわからない、とここまで痛烈に思うことができたのは、初めてだった気がする。写真をみにきたのだか…

きょうの風景(7/16)

馬車道での用事のあと、渋谷に戻ってくると、東横線の駅のホームまで、原発反対デモのシュプレヒコールが聞こえてきた。きょう代々木公園で原発反対運動の集会が行われたはずだと思って、私は駅から自宅まで、代々木公園を突っ切って歩いてみることにした。1…

点字とボンド(6/14)

仕事のあと、パソコンをひらいたまま、仕事をしていたその同じ机でひとりでビールを飲むという、贅沢で堕落的なことをしていると、机の上の棚に前から置いてある木工用ボンドのケースに、点字が打ってあるのに気がついた。グーグルさんの画像検索で点字の表…

きょうの風景(5/27)

自宅から代々木上原駅まで行く路の途中に細い私道ふうの急な下り坂があって、急な下り坂の急な下りぎわ、T字路を左に曲がる角に、家一軒ぶんの空き地がある。そこが空き地になってから、春も夏も秋も、茎が強くて葉もかたそうな、切ったら白い血がじゅっと出…

神様の庭は円い(5/19)

「タイム」で一緒に舞台に立った毛利悠子さんの個展を見に、東京都現代美術館へ行った。毛利さんの作品が入っているブルームバーグ・パヴィリオンというのは、美術館の前庭に設置された、離れのような建てもので、白いパキパキした、屋根だか壁だか見分けの…

きょうの風景(5/5)

満月と、月が楕円状の周期のなかで最も地球に接近するのが重なる日だった。23時に、日本の原子力発電所がぜんぶ停止するので、そのカウントダウンの集会が代々木公園でひらかれていて、おおぬきさんたちが出掛けているというので、どんなふうになっているか…

きょうの風景(5/8)

両国で「トルネード! 21人のキリヌキイラストレーション展」を見てから、会社に行くために大江戸線に乗った。私の前に、小さい子と大きい子を連れた母親が座っていて、三人は門前仲町駅で、小さい子はベビーカーに乗って、降りたのだけど、ドアが閉まる直前…

きょうの風景(5/4?)

夢で。 渋谷の、道玄坂のほうか、円山町の先のほうか、その辺りに、富士急ハイランドにあるジェットコースターみたいな高速道路ができていて、ぽかんとみていると、ヘアピンカーブを曲がろうとした乗用車やトラックが遠心力のなすがままに、ぽーん、ぽーん、…

官能的な演劇

俳優の仕事ってなんなんだろう。岡崎藝術座の演劇をみるといつもそのことを思うし、今回「アンティゴネ/寝盗られ宗介」をみて、ほんっと、なんなんだろ?と思った。俳優は、演出家の指示を受けて動く。やれ、と言われたことを受けいれる。すべてを受けいれ…

すごくよくてすごくダウナー

日曜日、チェルフィッチュの「現在地」という演劇作品を観た。劇中に出てくる台詞で「私、ふるさとって言葉の感触って、なめくじみたいだって思っちゃうの。」というのがあって、あまりにも的を射ている(つまり、私がふるさとということばに感じてる感触と…

音楽について(4/16)

「どんな音楽をききますか」と訊かれると困ってしまう。にも関わらず、同じ質問を私も人に対してする。私にとって、音楽は説明するのがとても難しい。アーティストの名前をお互いに知っていればいいけれど、それ以外のすべての場合には、それがどんな音楽な…

きょうの風景(4/8)

夜風の気持ちよくはいってくる部屋で、HIKARUの音楽をききながら、せいこさんと喋って、とうこさんといっぱい遊んだ。せいこさんの作ってくれた料理がぜんぶおいしかった。ウーウェンさんのレシピの白身魚の黒酢ねぎソース、うすあじの根菜スープ。せいこさ…

艸にも酒を(4/7)

晴れ。佃島を歩いた。勝どきから、清澄通りをずっとまっすぐ、ときどき脇道を縫いながら、門前仲町まで。 あとになって、どうして同じ島に「月島」と「佃島」があるのかと思って調べたら、佃島のほうが全然歴史が長いのだった。佃島は大阪の佃村のひとたちが…

きょうの風景(3/17)

国立へ髪を切りにいって、ブルックリンに行きたくなった。いつも、店のよしださんと、外国の話をする。よしださんはいまはイタリアへ激安インテリアを調達しに行きたいらしく、イタリアの名を連呼していた(それがとっても、かわいかった)。ヨーロッパのイ…

きょうの風景(3/12)

新しい冷蔵庫がきて一日たった。こんどの冷蔵庫は、高さが前の冷蔵庫の1.5倍くらいある。冷蔵が上で、冷凍が下。背が高くなったせいか、どーもくんみたいな誰かが佇んでいるようにみえる。扉の上段はたまごケース置き場の代わりにペットボトル置き場になって…

きょうの風景(3/13)

尻尾がピーンと天に伸びている柴犬をみた。新富町の交差点で。

きょうの風景(3/11)

カニエナハさんの詩のイベントを体験するために吉祥寺のOngoingへ行った。こないだ買った、春用のばら色の靴をおろして。そのイベントの内容を、さいしょから順を追って説明しようとすると、どうも全然、わたしの体験したこととは違ってしまうので、書かない…

きょうの風景(3/10)

朝10時、そぼそぼの雨。はじーとバス停まで歩いていくとき、ちょうど青いゴミ収集車と鉢合わせて、私たちの歩いていく後ろからずっとゴミ収集車がゴミを回収しながらついてきた。「ついてきちゃったね」とはじー言う。「おかげで私たちの歩いた道がきれいに…

きょうの風景(3/8)

吉野せい「梨花」を読んだ。これは、うそ寒くて、湿った土地の、死児写真だ、とわたしは思った。魯迅の「明日」という短い作品も、同じように、貧しい母親がまちがった看病によって乳児を亡くす話だ。でも、「梨花」を読んで「明日」を思いだしたのは、物語…

きょうの風景(3/7)

夕方、モスバーガーで、モスチキンとコーヒーを頼んで席に座った。 先に、注文を取ったおばさんがコーヒーを運んできてくれて、「モスチキン、少々お待ち下さいね、今あげてますので〜」と言った。 私はテーブルの上にひらいたmacbookを少し手前に引き寄せて…

イベント「室内キャンプ」

飯田橋のベーカリーカフェ hive cafe で開催される音楽と詩とダンスのイベント「室内キャンプ」にて朗読します。真夜中、ずっと流れる音楽と、射しこむ詩とダンス、そしてお酒とおつまみを準備して、お待ちしています。お気に入りのブランケットや敷きものを…

舞台『タイム』に出演します

音楽家の蓮沼執太さんと詩人の山田亮太さんのつくる舞台『タイム』に出演することになりました。様々な分野の表現者が集まって、見たことのないものになる予感がします。 [TPAM in 横浜 2012/TPAMディレクション/野村政之ディレクション]蓮沼執太×山田亮…

多摩丘陵のジャスミンティー

去年の秋の終わり、はじーと多摩丘陵を歩く会をやった。わたしは最初、その丘歩きをかなり気楽に考えていて、前日にはじーから送られてきたはずの「かたらいの路」の地図がiPhoneに届いていないことに、高幡不動に着いてから気がついて、はじーに怒られた。…

ロバート・ブライ「豊かさに反する詩」

毎日わたしは生き、毎日光の海は 昇り、わたしは見るらしい 石の内側に涙を まるで私の目が地面の裏を凝視しているように。 豊かな人は彼の赤い帽子の中で ききとることができない 百合の群落の中のすすり泣きを あるいはトウモロコシ小屋の中の暗い涙を。 …